はじめ自分の髪の毛だろうと思ったが違った。鏡で眼をみても異常はない。
しかし、数分もするとその太い毛糸のようなものが、どんどん増殖して視界の中央にはびこりだした。
昼休み、眼科医を訪ねると眼底検査をしてくれて眼のレンズの奥の部分の血管から出血しているとのこと。
なるほど、太い毛糸が増殖して見えたのは、血液というわけだ。
「高血圧ですか?」と尋ねられた。ボクはこの10年間、高めではあっても、高血圧ではない。
高血圧が原因で突然このような症状が出る場合があるらしい。
それから、「右目はボロボロに疲れてますよ」。自覚症状のない左目も「やはり疲れてますね。少し出血している」とも。
ボクには心当たりがあった。
その日の朝、緊急対応する業務が発生した。強いストレスのある状態で複数箇所の相手と個別調整を同時進行で行いながら、総合調整の結果にもとずいて指示書を仕上げて現場に情報公開するものだった。急ぎの仕事でこれに2時間かかった。昼前ボクはいつものように「よーし、出来た。終わった!!」と大きな声で独り言を言って、フーッと深呼吸した。それまで2時間息つく暇ナシに集中していたからだ。その独り言から1分以内に右目の異常を感じた。
おそらく、2時間高血圧の状態だったのだろう。
幸い出血の程度は軽いそうだ。しかし回復にどれくらいかかるかは個人差が大きいという。1週間の場合もあれば1年くらいかかるケースもあるという。
身体の内部で血管が切れるという経験は、リアルではない。すくなくとも、前兆は感じないし痛みもない。
突然、視界の端っこに異常を感じるだけだった。
眼の血管が切れるというからには、そのほかの部分の血管が切れる可能性だって想定しなきゃならんのだろう。
ボクは気持ちは40代前半くらいの気分なのだが、身体の内部はやはり50代なのだ。
30~40代のような生活や仕事のやりかたをそのまま続けてはいけないというシグナルなのだろう。
生活全般を見直す機会かもしれない。
自戒を込めて書いた。
働くみなさん、気をつけてください。
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